プロローグ ―少年と目覚ましとみつからないベルト―


ジリリリリリリリリリリ――――――――!!!!

眩しい程の日の光と共に新しい目覚まし時計のうるさい音が少年の部屋に響く。
「ん・・・・・?あー、そういや目覚まし変えたんだっけ?」
思い出した様に呟き、一度あくびをして起き上がる。
「にしてもうるせぇな・・・鼓膜破るつもりで作ったのか?」
強制的に目を覚めさせられた目覚ましの愚痴を言いながらベッドから出て、クローゼットへ向かい黒の長ズボンと半袖のTシャツを取り出す。
少年の名前は八神祥吾やがみしょうご。桜坂学園へ入学する一人の少年である。
「あれ・・・ベルトってどこにあるんだ?」
少し前まで私服で学校へ通っていた彼には慣れない作業だったためか、ベルトの行方がわからない。
あちこち探し回った結果、何処にも見当らないのでとりあえず今日だけベルトは無しという事になった。
フと、時計を見てみると、短針は7と8の間を、長針は9を指していた。
つまり、7:45である。ちなみに桜坂学園の登校時間は7〜8時と決まっている。
「うおっ、完璧遅刻じゃねぇか?! 転校生が遅刻なんてシャレになんねぇぞ!?」

そう、八神祥吾は転校生である。地元静岡から東京に出てきた上京少年だ。
そして、東京の中心部に位置する「桜坂学園 高等部」に今日新たに入学する。

急いでカニの絵がプリントがされたパジャマを脱ぎ捨て制服へ着替え、カバンを片手にダッシュで部屋を飛び出る。
転がる様に階段を下りると黒い光沢のある靴を急いで履き一言
「いってきまーす!!」
と言ったかと思うと、風の様に走り去っていった。


ここは桜花町。東京の北部に位置する大きな街だ。
この世界にはシードと呼ばれるものがある。選ばれた人間に与えられる魔力構成物質。
そして、種の持ち主―――育てる者グロウターと呼ばれるものは桜花町内の学校へ招待される。
八神祥吾もその一人だ。
少年の種は「再生の種リサイクルシード」。
そして少年と種の運命の歯車が今噛み合った。


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